私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「香音、ベッド戻ろうか」
「抱っこ……………」
「分かってるよー
まだ動けないもんな」
「んー………寝るまで……抱っこ…………」
「仕方ないなー
可愛い香音のためなら
ちゃんと寝ろよ?」
「分かってる…………」
そう言いながら頬をすりすりしてくる
可愛い…!!
「香音……おやすみ
また明日な」
寝たのを見計らい病室を出た
病棟を歩いていると栗原先生に会った
「あっ、香音ちゃん寝ました?」
「はい!
多分、もとから眠かったと思うので……」
「アハハ、そうでしたか
まぁ子供だと珍しくないですよ
親と離れたくなくて泣き喚くのは」
「アハハ……」
「いやぁ……まさか香音ちゃんが泣くとは思いませんでしたけどね
どこか大人びてるところがあるというか……
大人に気を遣ってる感じがして」
「まぁそうですね
出会った頃から………本心をずっと隠してた感じはしましたからね」
「ですよねー
この子本当に小学生!?
って思いましたから
最初に会った時」
「そうでしたか……」
「はい……あっ、すいません!
足止めしてしまって」
「いえいえ
香音のこと知られて嬉しいですから!
香音のことよろしくお願いします」
「はい!」
そして俺は栗原先生とも別れ、家に向かった