私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「…………密かに探してた
雄斗から指輪……貰った記憶はあるのに……見つからないから……」
「アハハ……ごめんな?
あの後……香音がパニックになっちゃったからさ………アクセサリーはつけてない方がいいって言われて………だから俺が持ってた
香音が落ち着いたらまた渡そうと思って」
「雄斗………ずっと待っててくれたんだ……」
「当たり前だろ?
じゃなきゃあんなタイミングで告白なんかしねぇよ」
「………そう…なの…?」
「そうだよ
あの話をしたら………香音はパニックになるって分かってたから………だから告白した
香音がいくら俺を遠ざけようとしても……いくら嫌いだって言われても………香音の本心じゃないって思えるように
香音は本当は何を望んでいるのかを……俺自身が信じられるように」
「…………そっか………雄斗、ありがとう
ずっと待っててくれて……」
「あぁ……でも、あれか?
もっとロマンチックな方が良かったか?」
「ううん
気持ちだけで嬉しい………雄斗と婚約してるっていう事実があるだけで………十分だよ」
「香音……………その分、好きだって言う……
愛してるって……たくさん伝える……」