不埒な上司と一夜で恋は生まれません
「や、やめてくださいっ。
 警察を呼びますっ」

「警察を呼んで、なんて言うつもりだっ?」
と問われ、和香は困る。

「……なんて言うんでしょうね?」

 自分でも今の状況が理解できていないのに、警察に説明できるとは思えなかった。

 耀は和香から手を離して言う。

「まあ、実のところ、俺も事態についていけてはいないんだが」

 いないんだ……?

 そこで、和香は自分が耀を送っていったときの状況を覚えている限り、詳しく説明してみた。

「というわけで、課長と私の間にはなにもなかったんですよっ」

 なるほど、と頷いてくれたので、ホッとしたが。
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