不埒な上司と一夜で恋は生まれません
「……あの~、課長はカツ系のものが好きなんですか?」

「だって、ハズレないだろ」

 和香は少し考え、
「私はもう少し軽いものが食べたいです」
と言った。

「例えば?」

 例えば?

 そうだな。

「……木の葉どんぶりとか?」

 木の葉どんぶりは、かまぼこなんかの練り物が入っているどんぶりだ。

「ある。
 木の葉どんぶりも」

 行こう、と耀は行きかけたが、店員さんと目が合ったようだった。

 カツ丼買う気満々だったのにやめたところを見られていたせいか。

「……でも、なにも買わずに出るのも悪いな」
と呟いていた。
< 44 / 438 >

この作品をシェア

pagetop