不埒な上司と一夜で恋は生まれません
 


「課長は、ほんとうにお酒、弱いですね~」
という和香の言葉を聞きながら、耀は坂道を歩いていた。

 図書館と自宅のある方角に向かう坂道だ。

「なにを言う。
 今日はちゃんと自分で歩いてるぞ」

「いやまあ、そうなんですけどね~」
と言う和香は、自分がちゃんと帰れるか見張るためについてきているようだ。

 酔いやすいことは、別に恥ずかしいことではないし。

 アルコールもよく吸収する健康な体なんだ。

 とか今まで思っていたのだが、和香の前ではちょっと強がってしまい、酔っていないフリをする。

「俺を送らなくていいんだぞ。
 俺がお前を送ってやると言ってるだろう」

「やめてください。
 課長がちゃんと帰ったか、心配で夜も眠れなくなります」
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