不埒な上司と一夜で恋は生まれません
「課長、私帰りますから、中から鍵をかけてください」

 耀は黙って、切れ長の目で和香を見つめている。

 ……いや~、力強く腕を握られて、そんな風に見つめられると、あなたが苦手な私でも、さすがにときめいてしまうので、離してください、
と思ったのだが、そのまま耀はなにも言わない。

「……課長」

 耀の視線は動かない。

 あれっ?

 和香はいつものようにキリッとしている耀の顔の前で手を振ってみた。

 ……もしかして、寝てる。
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