「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
 そう尋ねつつ視線で示したのは、クストディオである。

 国王の遺言がある以上、だれにとってもクストディオの存在は邪魔に決まっている。

 だれにとっても、というのは王子たちや王妃や宰相であることは言うまでもない。

「いまのところはなんとも言えませんね。いっそ会われてはいかがですか? 向こうがクストディオ様のことを忖度したいのと同様、こちらにだってどうするか考える権利がありますので」

 エドムンドの提案。またしてもクストディオと顔を見合わせてしまう。
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