「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
 結局、エドムンドとフェリペは夕方になっても戻ってこなかった。

 もしかすると、第一王子が夜間に王宮を抜けだす情報でも得たのかもしれない。

 そう前向きにとらえることにした。

「きみが? きみが夕食を作るって……。冗談だよな?」
「なによ、クスト。だから、わたしは料理だったらまだ出来るのよ。何度も言わせないで」
「とはいえ、卵料理だろう? 朝だったらまだしも、夕食に卵料理って……。だったら、おれが作ろう。きみは、おれの手伝いをしてくれればいい」
「なんですって? あなたが料理を……」

 言いかけたけれど、すぐに思い出した。
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