「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「いいんじゃない? 利害は一致しているわけだし。それにわたしたちが彼やアルマンドを心から信じていないのと同様、彼らだってわたしたちを信じているわけではない。お互いに疑いながら同じ道を進むのもいいかもしれない。それだと、成功も失敗も共有出来るでしょうから」
「エド、フェリペ。きみたちは?」
「おれたちは、あなた方に従います」

 クストディオの問いに、エドムンドが間髪入れずに応じた。

「というわけだ、ヘルマン」
「クスト、ありがとう。きみたちが同志になってくれて安心したよ」
「礼ならカヨ、いや、妻に言ってくれ」
「ああ、そのこともわかっているんだ。きみたちが夫婦ではなく、ただの幼馴染だということをね」
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