「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「腹が減っていませんか? 小さな村ですが、パンとチーズのうまい店があります。いま弟に買いに行かせていますから、ランチにしましょう」

 窓から顔をのぞかせると、エドムンドが馬車を見上げて提案してきた。

「クルルルルル」

 どうやらお腹の虫が彼の提案をききつけたらしい。
 途端に同意の声を上げた。

「ほんとうになんでもないのよ」
「おれもだ。とにかく、パンとチーズだ」

 クストディオと顔を見合わせ、了解しあった。

 そうして、エドムンドとフェリペ兄弟お勧めのパンとチーズをいただいた。
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