ヴァンパイアな彼等
ん?烏丸、藤峰、有栖川…?
なんかどこかで…。
突如として始まった自己紹介だったが、何故か聞き覚えのある名字に私は小さく首をひねる。
その時。
「…烏丸、藤峰、有栖川…もしかして御三家?」
冬夜が小さくそう呟いたのを私は聞き逃さなかった―。
私達、純血のヴァンパイアの家系は一括りに純血といえど、序列制度が存在する。
"御三家"とは、数少ない純血のヴァンパイアの中でもより強い力を持つとされ、一目置かれている序列1位〜3位までの家系の総称。
現御三家は、序列1位の烏丸家、2位の藤峰家、3位の有栖川家。
ちなみに、東雲家は現在序列4位のため、御三家には含まれないがかなり上位家系のヴァンパイアと言える。
私が近くにくるまで気配に気づかなかったから上位の家系だとは思ってたけど…まさか、御三家だなんて…。
「なんで、御三家みたいに力のあるヴァンパイアが人間の学校にいるの?」
信じられない気持ちで、私は彼等にそんな質問を投げかけた。