ヴァンパイアな彼等
「まぁ、僕達にとっては社会勉強みたいなもんだよ。人間とはうまく付き合っていかないとだからね〜」
あっけらかんと答える凪に私は目を見開く。
社会勉強って…。
「それに俺等は生まれた時からそれぞれの家系の次期当主として教育を受けてきた。その中の教育の一環だな。人間の学校に通うってのは」
「俺達、初等部から羽南学園だよ。羽南学園の理事長は俺の父だし、融通が利くんだよ」
翔月と怜也もごく当然だとでも言うように言葉を紡いだ。
というか、ちょっと待って。
スルーしてしまったけど、羽南学園の理事長って有栖川家の現当主なの!?
だから、お母さん…羽南学園勧めたんだ。
ヴァンパイアでも通いやすい人間の学校ってわけね。
「何人かヴァンパイアでも通ってるヤツはいたけど…NVは初めてだよ?超希少だもんね〜NVのヴァンパイアって。やっぱり人間と同じ味なのかな…?さっきの匂いたまんなかったな〜」
うっとりとした表情で見つめてくる凪に対して身の危険を感じた私は、サッと冬夜の近くに後ずさった。