ヴァンパイアな彼等

芽亜里ちゃんの秘密



♢◆♢

「柚葉ちゃん…!大丈夫?よかった今日学校来るか心配してたんだ。昨日…保健室、途中まで私も一緒に行ったんだけど、遅くなるから先に帰れって言われて…」

申し訳なさそうに俯くのは、昨日仲良くなったばかりの芽亜里ちゃん。

私が教室に入ってきた途端、待ってましたとばかりに駆け寄ってきてくれて、自然と頬が緩むのを感じた。

「そうなんだ、芽亜里ちゃんに心配かけちゃったね…。もう大丈夫だよ、あの後、弟も保健室に来てくれたし…」

そんな私の言葉に安心したのか、彼女はホッと息をつく。

「それならよかった…。弟さんか〜柚葉ちゃん、弟がいるんだね」

「そう。初等部にね。今年から一緒に羽南学園に来たんだ」

「柚葉ちゃんの弟ならすごく可愛いだろうな〜」

ふふっと無邪気に笑う芽亜里ちゃんに、ついついキュンとしてしまう私。

芽亜里ちゃんって、癒やされるな〜。
こういうおっとりした子って周りにいなかったし。

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