ヴァンパイアな彼等

そのことに戸惑っていると、何かを察したように芽亜里ちゃんが曖昧に微笑みながら口を開いた。

「あ…柚葉ちゃん。私と凪くん、顔似てないからビックリしたんでしょ?実は…小学生の頃、両親の再婚で…私は母の連れ子だから…凪くんと血の繋がりはないんだ」

「…そ、そうだったんだ。じゃあ、芽亜里ちゃんは普通のヴァ…んっ!?」

"ヴァンパイアなの?"そう口に出そうとした時、突然、後ろから口を塞がれ思わず体が硬直する。

瞬時に、「キャー」と教室内で女子生徒たちの黄色い歓声が上がった。

「な、凪くん?どうしてここに…?」

「よ、芽亜里。昨日の彼女が芽亜里の友達だって言うから体調気になってね〜。様子を見に来たんだ」

目をぱちくりさせて、驚く芽亜里ちゃんにそんな説明をする凪。

そして、私の顔を覗き込むと心配そうな表情を浮かべて。

「あれ〜?君、まだ顔色悪そうだよ?せっかくだし、僕が保健室連れて行ってあげるね?芽亜里、彼女、保健室連れて行くから先生にはうまく言っといてよ」

と半強制的に私の腕を引くと、教室の外に連れ出したのだ。
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