ウチの居候ヴァンパイアくん。
「ごめんごめん。ちょっと考え事してて。」
そう言うと、由里は慌ててプレゼン資料に目線を戻した。
すると、キッチンからこちらに歩いてきたアキラが由里の後ろに立ち、肩に手を置いて優しくもみほぐし始めた。
「由里さん、お疲れ様…」
アキラは由里に顔を寄せると、耳元で優しくそう呟いた。
——な、なんて気持ちいい…。
これはもう、プレゼン資料を読むどころではない。
あまりの気持ちよさに由里は思わずプレゼン資料を目の前の机の上に置いて、アキラのマッサージに身を任せた。
「ごめん、由里さん。仕事の邪魔した?」
またも、耳元で優しく声を掛けてきたアキラに、由里は「ううん」と言って軽く頭を振ってから答えた。
「いいの。アキラ君のマッサージタイムが好きだから、集中したいの。」
「…そっか。」
アキラはそう言うと、由里の顔の横から口元を離し、上体を起こして、優しくもみほぐし続けた。
体の大きい彼の手は、肩と同時に肩甲骨あたりまで指を置き、肩から肩甲骨までをまとめてもみほぐしてくれている。