ウチの居候ヴァンパイアくん。


夕飯が終わり、由里はソファに腰かけて、持ち帰ったプレゼン資料を眺めていた。その間、アキラは洗い物をしてくれている。


プレゼン資料を眺めながら、横目でチラッとアキラを見る。


——よく働いてくれるなあ、アキラ君。


家事を完璧にこなしてくれる彼は、仕事人間の由里にとって、本当にありがたい存在だった。


アキラがここに来て2、3日が経った頃、残業で遅く帰宅した由里は、見違えるほどに綺麗に片付いた部屋を見て驚いた。その時の光景は今でも覚えている。


リビングに入ると、ダイニングテ—ブルの上に準備された食事がラップ掛けされて置いてあり、ソファには力尽きたようにして寝ているアキラがいた。家事をして疲れ果てたのか、アキラはソファに腰かけたまま、俯いた状態で寝ていた。


由里はせめて体勢を横向きにしてやろうと、ゆっくりアキラの体を倒してクッションに上半身を預けた。高身長な彼の足を持ち上げてソファに置いてみると、足がはみ出し過ぎて由里は笑いそうになったのだった。


「…由里さん?さっきから俺のこと見過ぎじゃない?」


アキラの言葉で由里はハッとした。いつの間にか洗い物を終えたアキラは、エプロンを脱いで、冷蔵庫横のフックにかけているところだった。

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