ウチの居候ヴァンパイアくん。


上映が終わり、由里とアキラは近くのカフェでコーヒーを飲むことにした。


2階のカウンター席に横並びで座ると、目の前の窓から見える街路樹の緑がキラキラしていてまぶしかった。
アキラはコーヒーを一口飲んだ後、由里に嬉しそうな表情を向けながら言った。


「映画、面白かったね~。特に、ヒーローのアクションシーンなんか…」


「…ねえ、アキラ君?そろそろ手を放してもらいたい—」


「やだ。」


「え?」


いつもは素直なのに、明らかに不貞腐れた表情で拒否するアキラに、由里は戸惑った。
そして更にキュッと優しく、由里と恋人繋ぎをしている掌に力を込めた。
由里はまっすぐ見つめてくるアキラにチラッと目を向けて控えめに抗議した。

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