ウチの居候ヴァンパイアくん。
由里はアキラの背中にそっと腕を回した。
「帰ってこなくて、寂しかったんだからね…」
ちょっと文句を言ってみると、アキラは「ごめん」と言って抱き締める腕に力を入れて、言葉を続けた。
「もう、寂しい思いなんてさせない。由里さんがいいって言ってくれるんなら、ずっと…一緒にいたい。」
「うん。ずっと一緒にいよ。アキラ君にも、これからはもう、小さい頃みたいな寂しい思いはさせないからね。」
「…そんな嬉しいこと言ったら俺…止まらなくなるよ。」
アキラが耳元でそう囁くと、由里は少し体を離してアキラを見つめながら言った。
「うん…止めないで。」
由里の言葉に、アキラは珍しく顔を真っ赤にさせると目を逸した。
「由里さん…不意打ち過ぎる。そんな可愛いこと言われたら俺…我慢できないよ。今すぐ由里さん家に行きたい。」
「うん、帰ろ!今日こそ一緒に。」
由里は笑顔でそう言うと、アキラの手を引いた。
アキラはそんな由里に近づくと、耳元でもう一度囁いた。
「今夜は由里さんの色んなところから吸血するから、覚悟してね。」
太陽は沈みかけているが、あたりの街路灯はまだ灯っていない。
そんな暗がりの中でもわかるくらい、由里は真っ赤になりながら、アキラの言葉にコクリと頷いたのだった。
fin.


