幼なじみ、じゃない。
ーーーーー……
もう、あっという間に私たちの家の前に着いた。
すぐに家へ入ろうとする涼を引き留めて、口を開く。
「……っありがとう、涼」
「……どーいたしまして」
ーードキリと、心臓が大きく跳ねた。
久しぶりの、涼の笑顔……。
少し口元を上げて、ゆるく微笑むの。
その優しい瞳に、囚われそうになる。
「っ、もう、なんなの……」
意味分かんない。わかんないよ、涼。
突き放したかと思えば、急に相合傘。笑顔も向けてくれて、あの日の冷たい瞳が嘘みたい。
「まだ、あつい……」
涼に触れられたところの感触がまだ、残ってる。
ーーなんで、もうそればっかり。