幼なじみ、じゃない。


「……っえ」


「羽衣のことが好き」



一回目は夢だと疑ったけど、二回目はもっと鮮明に聞こえた。




「……う、そ」


「本当だよ、ずっと好きだった」



顔に熱が集中しているのが分かる。じわりと赤くなって、止まってくれない。



「俺はーーー」


『ーーもうしばらくで、花火が始まります』



涼が続けようとした言葉は、アナウンスに遮られた。



でも少し良かったかもしれない。あのままじゃ頭が混乱してパニックになっていただろうから。



「……邪魔された」



少しむすっとした表情の涼は、幼く見えて可愛い。


そう思う余裕はまだあった私だけど、急に繋がれた手にびっくりして余裕をなくしてしまった。



「ーーーとりあえず、花火見えるとこ行こ」



そう言って私の手を引く涼の手はすごく熱くて意識がずっとそこに注がれていた。




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