幼なじみ、じゃない。


ーー幼なじみって、なんだろう。



そんな疑問がぐるぐると頭を駆け巡る。



“離れた方がいい”なんて。



羽衣にとっては簡単に口にできる言葉だった……?



そう考えたらもう幼なじみとしている意味がないと思って。



そうしたら今度は“いっしょに幼なじみとして夏祭りに行こう”だなんて。




『ーー俺、羽衣と幼なじみやめる』




やけくそのように、すぐに思いを口にしてしまった俺は、羽衣を傷つけていることに気づかなかった。




その後、すれ違うなんてことも知らずに。










< 70 / 79 >

この作品をシェア

pagetop