きっともう君には会えない
私は、無我夢中で首を縦に振る。
光輝が背中をぽん、ぽんとゆっくり叩いてくれる
その背中の音と同時に光輝は息を吐いて、息を吸う。
私は見よう見まねで口を開けて
肺の中にたまった空気を全部吐き出し、鼻から息を吸う。
最初は上手く吐けなくて息が止まりかけたけど
だんだんと、呼吸の仕方を思い出してきた。
繰り返し吸って、吐いて
ぼやけていた視界がはっきり見えるようになった。
…なんで呼吸困難みたいに。
私は原因を頭の中で探す
私は男の子が転んで怪我してるのを見て…
……もしかして、血?
…………そんなわけないか。
ちっちゃな子供じゃないし。
私は考え事を一時中断して前を向く
「すぅ……光輝ごめん。もう大丈夫。
本当心配かけてごめんね、よーし。帰ろっか。」