きっともう君には会えない
ー運動会前日ー
今、私は校庭でライン引きをしている。
「…暑つぅ。」
「天野…線ガタガタだな。」
頭の斜め上から降ってきた声に思わず上を見上げる
「…あ。光輝」
「……天野。あの時はごめん。
俺、天野の事考えずにズケズケと…」
……え?
どうして逆に謝るの?
私のこと心配してくれて言ってくれたんだよね…?
でも、光輝だからか。
私はその言葉を理解すると
出来るだけ私の気持ちが伝わるように
精一杯の笑顔を向けた。
「いいよ。私全然気にしてないし、それに
光輝は心配して言ってくれたんだよね。ありがとう!」