― 伝わりますか ―
「織田よ、見ておるが良い。わしはいつかお前ら全てを破り、天の上に立ってやるわ。わしから『命』を奪った恨み、しかと知るが良い!」

 あたかも虎の雄々しき咆哮であった──。



 そして二月(ふたつき)後。

 彼の耳には不治の病で彼女がこの世から去ったこと、死ぬまで悠仁采の名以外言葉にすることがなかったと伝えられた。

 翌日、彼は数人の家臣と姿をくらましている。



 ──月葉よ。今度こそ、天上でわしと結ばれようぞ。



 そして、その後。

 天下統一することもなく、魔妖城崩壊ののち、彼自身も滅んだのである──。



      【継】






◆以降は2014年に(他サイトにて)連載していた際の後書きです。

 最後までお目通しを有難うございました。

 こちら【壱】の続編【弐】の連載は、再び二ヶ月ほど先を予定しております。

 少し間が空きますが、そちらをご覧いただきますと、【壱】を発端としました『繋がり』など諸々がすっきりすることと思いますので、その節はまた是非お越しくださいませ*


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