ケダモノたちのお姫さま
ウチの婚約者、いる?
連れてこられたのは、校舎4階の空き教室。


わたしは硬い床の上に雑に落とされる。

床にお尻を思いきりぶつけて、顔をしかめながらお尻をなでていると、ふとだれかの視線に気づいた。


見上げると、それは長い脚を組み机の上に座る雪夜さんだった。


周りには、白虎のメンバーと思われる人たちがわたしを囲むようにして立っている。


どうやらここはただの空き教室ではないようで、麗帝の白虎のたまり場のようだ。


「…あの。雪夜さん、これは一体どういうことでしょうか…?」


なんでわたしがこんなところに…?


それに…雪夜さん、さっきからずっと怒っているように見えるのは気のせいかな。

…いや、気のせいなわけないよね。


「おもしろい女だと思ったからつい気を許してしまったが、とんでもない泥棒猫だったな。朝陽うみ」
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