Galaxyな彼は、【完】
「…誰?」
掠れた低い声。
捕らえて離してくれない黒く光る目。
「…暁月さんから。」
「なんの用事?」
…なんでそんなこと聞くんだろう。
この間からちょっと変だよ。
「この間、深夜帯代わったからお礼にご飯行こうって、」
「…あそ」
不機嫌な黒いオーラに、痺れるほど低く呟かれた声。
何故かゆっくりとこちらへ迫ってくる。
え?なんで?
彗のスイッチが切り替わったのがわかった。
「彗…っ、?」
その異変に呼びかけても反応することはなく、ついに壁まで追い込まれてしまう。
顔の横に、両手をつかれて簡単に壁と彗の間に閉じ込められてしまう。
近すぎて胸の音が聞こえちゃうっ…
「っ、どうしたの?」
このまま吸い込まれそうなほど揺れる目。
近いってば…
「行くな」
ぽつり不機嫌に呟かれた言葉。
そして簡単に彗の腕の中に収まってしまった。
「す、いっ…?」
絞り出した声。
パニックになる頭の中、彗の髪が頬を掠めて、その香りにくらくらする。
どうして抱きしめられてるの…?