Galaxyな彼は、【完】



私なんかが原因で、問題にでもなって芸能活動ができなくなったら、私は一生後悔することになる。




「海」




え…



背後から聞こえて来たハスキーな声に、お弁当を食べる手が止まる。


どくんと嫌な音を立てる胸。



「彗っ、」



「今の話、どういうこと?」




久しぶりに見たその姿。



マスクと帽子をしていてもわかる程、怒りに満ちていた。



…やばい、聞かれてた?




「…やばいっ、近いっ」



「ホンモノだっ…」



ダメだ…2人とも興奮してる。



「いつもうちの海がお世話になってます」



って、効果音付きの嘘っぽい笑顔が披露される。


うう、怖い。



「うちの海、だって…」



「やばいよっ、」




「こいつ借りるね。」



初めて"こいつ"呼ばわりされた私は、あっさりと手首を彗に握られてしまう。


彗に引っ張られて立ち上がると、目線が近くなって、より一層突き刺さる瞳に息を呑む。


…相当怒ってる

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