Galaxyな彼は、【完】
「うん、連絡先も知らないし大丈夫。ありがとう」
「彗くんはその…知ってるの?ずっといじめられてたこと。」
「ううん…迷惑かけたくなかったから言ってない。」
中学の時にダンススクールの先生からの紹介で初めた芸能活動。
高校生になってからは徐々に仕事も増えて、頑張ってる彗に心配をかけたくなかった。
「そうなんだ。」
「それに、こんなこと知ったら…何するか分かんないから。」
人一倍優しい彗は、昔から怒ったら誰よりも怖かった。
小学生の時、私が男の子にいじめられて泣いてたらその男の子に対して血相変えてブチギレたり、
高校の時も私が他校の先輩にナンパされて困ってたら、すごい剣幕で引き剥がしてくれた時もあった。
怒りの理由は全て大切な幼馴染だから。
とにかく怒らせたら歯止めが効かないくらい怖いのが彗。
だからイジメのことを知ったら、沙輝が女だろうと曲がったことが大嫌いな彗は殴り込みに行きそうで怖かった。