【短編】Love Love Love……
 その、隙のない見事な動きと。

 あふれ出る氷のような殺気に。

 今まで、へらへらしていた男の顔が、引きつった。





 ……命の危険を感じて。




「……スカウトに来たなら、もっと要領良く、他を当たれ。
 アタマ悪いな。
 オレを怒らせて、どうする?
 本人に会わせるまでもねぇ。
 グリーン・アイズは、てめぇなんざの所には行かねぇし。
 オレが渡さねぇ」

 冷たく、固いウルジュワーンの声に。

 自分達の主(あるじ)の危機を感じた襲撃者達も。

 慌てて銃やナイフを構えなおした。

 一気にに張らんだ緊張感の中。

 隻眼の狼は、続けて低く声を出す。

「てめぇは。
 オレ達がどんな思いで戦って来たのか知らない。
 そして。
 この家に流れついてから、どんな風に暮らしていたのかも。
 ……教えてなんざ、やらねぇけどな」

 たった一つしかない、ウルジュワーンの、深く蒼い瞳が揺れた。

 
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