【短編】Love Love Love……
「……オレは、もう。
 返り血をアタマからかぶって、狂笑するグリーン・アイズを見たくねぇ。
 正気に返って、罪に震え。
 声も出せずに泣くアイツを抱くのも、もう嫌だ。
 ……てめぇは、仲間を連れて、今すぐ消え……」


 そう、ウルジュワーンが言いかけた時だった。

 隻眼の狼の。

 見えない目の方から忍び寄った、男の部下が。

 いきなり、ウルジュワーンを銃の柄で殴りつけた。




 がっ!!

「うっ………!」




 不意をつかれた狼は、弧を描いて、弾き飛ばされ。

 そのまま、気を失った。


「……聞かなくても判るぜ。
 そうとうタルんだ生活をしてたんだろう?
 このざまを見りゃぁな」

 男は、けっ、と唾を吐いた。

「腕を無くした直後のあんたなら。
 いくら、俺の手札のうちで一番強いヤツとは言え。
 こんな風に近づけなかったろうよ。
 コワいねぇ。
 平和な生活って。
 正真正銘の狼を、タダの駄犬にするんだから。
 ……それに頭が悪いのは、どっちかな?」

 男は、意識のないウルジュワーンを蹴りつけ、ゲラゲラと笑った。

 
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