【短編】Love Love Love……
 




 雪が、降る。


 一度降り止んでいた、南の国に降る雪が。


 ふわふわと舞い降りる。




 ウルジュワーンは。

 その、冷たい感触と。

 鋭く。

 耳をつんざく銃声で、意識を取り戻した。

「くそ……久々に、効いたぜ……」

 ぐらぐらするアタマを振って起き上がると、辺りの景色に。

 血の海の広がるとんでもない景色に、息を呑んだ。

 そして。

 目の前の、死体の山の上から。

 全身血だらけのアフダルが、ゆっくりと倒れ込んで来るのに気がついて、駆け出した。

「アフダル!?」

 地面に、頭から落ちる寸前、間に合って。

 しっかりと腕の中に抱きしめたウルジュワーンは、叫ぶ。

「アフダル!!」

 アフダルは、ひどい状態だった。

 彼の身体についた血は。

 返り血ばかりではなかったのだ。


 頬に、ナイフの傷跡をつけ、足と腹に銃弾を何発か受けていた。

 それだけでも、致命傷に近かったのに。

 胸に、至近距離で撃たれた小銃の弾の跡があった。

「くそ……!」





 これでは、もう。
















 …………助からない。


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