【短編】Love Love Love……
「ごはん? やったぁ!
 きょうは、なあに?」

「おいしいオートミールよ」

 マリーの言葉に、アフダルは、少しだけ口をとがらせた。

 彼の、お気に入りは、他にあったから。

「ええ~
 しすたーのくにの、りょうりなら、ぱんけーきがいいなぁ。
 はちみつが、いっぱいかかってるやつ」

 アフダルのささやかな我がままに、マリーは、くすっと小さく笑った。

「残念でした。
 粉になってる小麦粉の配給が、ぎりぎりなのよ。
 今夜、クリスマスケーキを焼くなら、がまんしなくちゃ、ね」

「はぁい」

 アフダルは、笑って素直に返事をすると。

 宿舎に向かって元気良く駆けて行った。

 舞い散る小雪を、追いかけながら。




 
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