悪役令嬢は王子との秘密の双子を育てています 〜見つかったので処刑されるかと思いましたが、なぜか溺愛されました〜
 フェルディナンド王子の二十歳の誕生日を記念する舞踏会の前日、メリアンが王子に純潔を捧げた後、メリアンは自ら姿をくらました。

 ゲームでは、舞踏会で、王子はメリアンとの婚約破棄し、新たにエレオノーラとの婚約を発表する。そして、メリアンは、王子とエレオノーラに対する嫌がらせをずっとしてきたという罪で、国外追放を命じられてしまう、と言うシナリオだ。それならばメリアンが自主的にいなくなろうが、この世界の進行はゲームとは変わらないだろう。

 メリアンが、どこで何をしてようと、王子とエレオノーラは、晴れて結ばれ、結婚するというハッピーエンドが待っている。

 そのことに心を痛めないかと言われれば、嘘になる。けれど、メリアンは王子の肌を初めて感じた時に決めたのだ。この報われない気持ちは封印して、前向きに生きよう、と。
 そして、自分の体の中に宿した可能性のある新しい命に賭けた。
< 4 / 56 >

この作品をシェア

pagetop