いつどこで誰が何をした
『クラスメイトの死に慣れるな』
そう言ったのは確かにクラスメイトだった。
夜
家に帰ってソファにだらんと座り込む。
今日も帰ってきた。
今日で何日経ったんだろう。
よく覚えていない。
『クラスメイトの死に慣れるな』
そう言ったのは確かにみんなだった。
でも…僕はふと思った。
どんな非現実的な状況であっても慣れるものは慣れるんだなと。
今日は越田が死んだ。
かなり酷い死に方をした。
でもその後すぐにグループ分けとかやり出して、それぞれに分かれて『普通』に話し合った。
そして『普通』に解散した。
また明日、と挨拶を交わして。
野々村が死んだ日を思い出してみる。
みんな意気消沈して、混乱して、泣き喚いて、恐怖に震え上がった。
でも、今日は?
どうだった?
慣れるな、なんて無理な話だ。
だって人間だもん。
ほら、やっぱり『普通』なんていい加減だ。
僕らの生活に、『普通』の概念に、クラスメイトの死は確実に浸透している。
慣れたくはない。
慣れたくないに決まってる。
だって慣れたら、結局元通りじゃないか。
せっかく抜け出したのに。