私のお兄ちゃん season1
「い、伊織。」



「何してんだよ。雨宮に触るな!!!」




玲蘭はようやく事態を理解した。伊織が玲蘭から楓を引き離し、頬に拳をくらわせたのだ。




「お、お兄ちゃん、カッコつけちゃって。」



「何言ってるんだ。」



「隠しても無駄だよ伊織。もうわかってるんだからさ。おまえの親父、再婚したんだろ?雨宮の母親と。


一つ屋根の下で、やらしいこと沢山してるんだな。」



「おまえには関係ない。」



「関係なくねーよ。さりなを傷つけやがって。
ふざけるなよ。」



「よくよく考えたら、なんで俺がバンドのために我慢して、さりなと付き合わなきゃいけないねーんだよ。


だいたい、そんな交換条件で彼氏彼女ゴッコして、アイツは幸せになれたわけ?


もう、意味ないから辞めようと思うだけ。
こんなんでバンドもダメになるならそれまでだ。」



楓は、伊織のカッターシャツを掴んだ。



「てめー!黙って聞いてれば!」



伊織は楓から目線を逸らした。



そのとき、チャイムが鳴った。



「まぁ、いいさ。しばらくこの件は黙っててやるよ。


またな、雨宮。」



楓はニヤニヤしながら去っていった。



楓は玲蘭を抱きしめた。



「伊織.....。」



「大丈夫だったか。」



「うん。」




「アイツになんかされそうになったら言えよ。絶対俺が守るから。」





「うん.....。ありがとう。伊織。」





玲蘭は伊織の優しい香りに包まれながら、しばらく腕の中にいた。
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