ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─

(すぐ買ってやれよルーカス様ぁ!!レイラ様、話さないんだから書いて交流したいってめちゃくちゃアピールがんばってんじゃん!察してやれよルーカスぅう!)


思わず敬称も忘れるほどの脳内エールを送ってしまった。ルーカスには交換日記の目的が見えないのだろうか。どこまでポンコツ。

ルーカスはまたしばらく沈黙してから、さっと赤い本を一冊手に持って会計を済ませた。レイラの返事を聞かなかった。


(よっし!よくやったルーカス様ぁ!)


ルーカスが無表情のまま立ち尽くすレイラに赤い本を手渡して微笑んだ。


「交換日記、ベルとでもやるのか?」

(この見当違い野郎ぉお!!俺とやろうって言えよこらぁあ!)


アイザックのじれったさが先に破裂してしまった。どうしてこうポンコツなんだこの第二王子は。


レイラはレイラで本を受け取ったはいいが固まっている。それは固まる。わかる。アイザックはレイラに同情した。

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