【電子書籍化】最初で最後の一夜だったのに、狼公爵様の一途な愛に蕩かされました
「……これ以上、オールステット家の名に泥を塗るのはやめなさい。このやりとりを聞いていたのは、私だけではない。他の有力貴族や、王家筋の者も来ている。……いくら声や匂いを近づけたところで間違うはずがないと、番のいる者が言っていたよ」
「っ……! わかった、グレンもここにいるんでしょ。それなら、私が勘違いしちゃったのも頷けるわ。元々番の気配は感じていたの。そこにグレンに似てるクラークが来たら、間違えても仕方ないわ。文句言ってやるんだから」
そう言うと、カリーナはホテルの部屋を出て、ずんずんと進みだす。
こんなことをしてカリーナを騙したのだ。きっと、グレンもこのホテルのどこかで自分たちの話を聞いている。
彼を見つけ出せば、番の気配は近くにあった、だから間違えたのだと、言い逃れができるかもしれない。
そう考えたカリーナは必死にホテル内を探すが、グレン本人どころか、残った匂いすらも見つけることができなかった。
ホテル中を歩き回ったカリーナは、グレンがいないことを理解して、わなわなと震えた。
そんな彼女の背に、クラークが声をかける。
「だから言ったでしょ? 兄さんは、ここには来てないって」
赤い瞳を釣り上げて、カリーナは悔し気にきっとクラークを睨みつけた。
しかしクラークは、愉快そうににたりと笑うだけ。
「兄さんとルイスを侮辱した罪、認めてもらうよ」
「っ……! わかった、グレンもここにいるんでしょ。それなら、私が勘違いしちゃったのも頷けるわ。元々番の気配は感じていたの。そこにグレンに似てるクラークが来たら、間違えても仕方ないわ。文句言ってやるんだから」
そう言うと、カリーナはホテルの部屋を出て、ずんずんと進みだす。
こんなことをしてカリーナを騙したのだ。きっと、グレンもこのホテルのどこかで自分たちの話を聞いている。
彼を見つけ出せば、番の気配は近くにあった、だから間違えたのだと、言い逃れができるかもしれない。
そう考えたカリーナは必死にホテル内を探すが、グレン本人どころか、残った匂いすらも見つけることができなかった。
ホテル中を歩き回ったカリーナは、グレンがいないことを理解して、わなわなと震えた。
そんな彼女の背に、クラークが声をかける。
「だから言ったでしょ? 兄さんは、ここには来てないって」
赤い瞳を釣り上げて、カリーナは悔し気にきっとクラークを睨みつけた。
しかしクラークは、愉快そうににたりと笑うだけ。
「兄さんとルイスを侮辱した罪、認めてもらうよ」