緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
 フィーネちゃんものどが渇いていたようで、ヴェルナーさんと同じようにゴクゴクと飲んでくれた。
 こうして見ると流石兄弟、飲み方がそっくりだ。

 そうしてクロイターティを飲み終え、一息ついたところでフィーネちゃんのお願いの件をヴェルナーさんに相談した。

「う〜〜ん、そうだなぁ……。俺はどっちかと言うと賛成なんだよね。うちの家訓は”可愛い子には旅をさせよ”だしね」

「え? ヴェルナーさんは賛成なんですか?!」

「お兄様……!」

 てっきりフィーネちゃんに諦めるよう説得してくれると思っていたのに、とんだ伏兵がいたもんだ。
 


* * * * * *



❀名前解説❀
フィングストローゼ→芍薬
ペオーニエ→牡丹
ツィトローネ→レモン
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