緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
 ジルさんはエプロンを受け取るとバッと広げ、手際良く着用していく。
 首に紐をかけ、後ろで腰紐をクロスさせキュッと縛り、腰紐を前に持ってくると器用に蝶結びをする。
 腰紐の位置を浅目にしているのに、それでも足が長いってわかるのがすごい。しかも意外と腰が細くて驚いた。これは盲点である。

(……くっ……!! と、尊い……っ!! ヤバい……っ!!)

 絶対似合うと思っていたけれど、予想以上に似合っていて直視するのが辛い。しかしジルさんは更に私を追い込んでいく。

 ジルさんが白いシャツの袖を捲ると、綺麗な筋肉が付いた腕が現れた。いつもはきっちりとした騎士団の服を着ているので、全く肌の露出がない分、こんな風に露出されてしまうと、何とも言えない耐え難い気持ちになってしまう。

「すっ、すごく似合ってますねっ!! ジルさんみたいな格好良い店員さんがいたら毎日通っちゃいそうです!!」

 ……声が上擦ってしまったのは不可抗力だ。挙動不審になるのも仕方がない。全ては格好良すぎるジルさんのせいなのだ。

「む。そうか。似合っているのなら良かった」

「似合い過ぎです!!」

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