緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
「それにしても本当に綺麗だわ。ヴェルナーが見たら驚くでしょうね。ウフフ」

「きっと惚れ直すでしょうね。見惚れちゃうんじゃないかしら?」

「えっ?! ええっ!!」

 お姉様方が褒めてくれるのはすっごく嬉しいけれど、ヴェルナーさんが見惚れるとかは無いと思う。だってこんな美女たちに囲まれて育ってきたような人なのだから、さぞや目が肥えているだろうし。

 私が内心焦っていると、扉をノックする音がした。やって来たのは伯爵家の執事さんで、食事の準備が整ったという。

「我が主人がアンネリーエ様をお待ちしております」

「は、はいっ!」

 私は緊張しながらお姉さんたちと一緒にダイニングルームへと向かう。
 お貴族様のお屋敷に初めて来たけれど、どこもかしこも何もかもが豪華で、飾られている絵画に彫刻、それぞれに価値があり、一点だけでも私のお店より高そうだった。

「あらあら、アンちゃんてばキョロキョロしちゃって。そんなに珍しい?」

「はいっ! どれもこれもすごく素晴らしくて……! 圧倒されてしまいます!」

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