緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
ジギスヴァルトは部下に執務を引き継ぎ、外出する旨伝えると個人用の馬車の準備をさせ、アンネリーエの店へと向かうよう指示を出す。
「……薬の開発はそんなに難しいのか?」
馬車が走り出してしばらく、ジギスヴァルトがヘルムフリートに質問する。
先日フロレンティーナの部屋で会った時に、手掛かりを見付けたと言っていたのだが上手く行っていないらしい。
「そうなんだよ……。治療薬として使えそうな植物を見付けてさ、土魔法で育成させたんだけど、薬どころか毒を持ってたんだよ。毒を薬として用いた例は過去にあるけれど、結構強い毒だから加減も難しいんだ」
「毒か……」
「紫色の花でね。形は可愛いんだけどさ」
ジギスヴァルトはアンネリーエの店にあったマイグレックヒェンを思い出していた。毒があるため売って貰えなくて残念だったが、小さくて可憐な花だった。
「……薬の開発はそんなに難しいのか?」
馬車が走り出してしばらく、ジギスヴァルトがヘルムフリートに質問する。
先日フロレンティーナの部屋で会った時に、手掛かりを見付けたと言っていたのだが上手く行っていないらしい。
「そうなんだよ……。治療薬として使えそうな植物を見付けてさ、土魔法で育成させたんだけど、薬どころか毒を持ってたんだよ。毒を薬として用いた例は過去にあるけれど、結構強い毒だから加減も難しいんだ」
「毒か……」
「紫色の花でね。形は可愛いんだけどさ」
ジギスヴァルトはアンネリーエの店にあったマイグレックヒェンを思い出していた。毒があるため売って貰えなくて残念だったが、小さくて可憐な花だった。