転生したら伯爵令嬢でした(ただし婚約者殺しの嫌疑付き)。容疑を晴らすため、イケメン年下騎士と偽装恋愛を始めます!
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「ローズ! あなた、一体どうしてたのよ」
思わず駆け寄ると、ローズは顔をしかめて後ずさった。
「嫌だわ、土まみれの姿で、近寄らないでくださる?」
「どうしていたのか、聞いているのよ」
「お義姉様に心配していただく必要は無いわよ」
ふてくされたように、ローズが答える。相変わらずだわ、と私は脱力した。
「お父様は? どこにいらっしゃるか知らない?」
「知るもんですか! あんな男」
ローズがわめく。自分を差し置いて、私をマルク殿下に嫁がせようとしたことを、まだ根に持っているのだろう。話にならないわ、と私はため息をついた。
「すみません、モニク様。迷ったのですが、モニク様の妹君ということで、お通ししたのです」
そこへ、慌てたように執事がやって来た。
「庭にいらっしゃる、とお伝えしたところ、あっという間に走って行かれて……」
「そりゃそうよ。私は、モニク・ド・サリアンの妹なのよ。第二王子殿下のお妃の、ね」
最後を強調しながら、ローズが胸を張る。そして、私をじろりと見た。
「で? いつまで妹を待たせるのかしら? お茶の一杯くらい、出していただけないの?」
「あのねえ、ローズ」
さすがにカチンときた私は、ローズをにらみつけた。
「バルバラ様がなさったことは、知っているわよね? それについて一言の謝罪も無いどころか、心配した私に向かって、お礼どころかまともな返事すら無い。あげく、お茶を飲ませろですって?」
「あれは、お母様が勝手になさったことで……」
ローズがうつむく。私は、さらに語気を強めた。
「王室入りしたとしても、このミレー家の方々は、私の家族よ。私が一言言えば、あなたはこの屋敷に永久出入り禁止。それどころか彼らは、あなたを社交界から追放する力だって持っているのよ?」
「……ごめんなさい」
さすがに怯えたのか、ローズがしゅんとする。だがそれは一瞬で、彼女はパッと顔を上げた。
「用件を、先に申し上げるべきでしたわね! 実は私、お義姉様とアルベール様のご婚約祝いに参ったのですわ。一言だけ、ご挨拶申し上げてもよろしいかしら?」
とってつけたような理由に、私は眉をひそめたが、ローズは小箱をいそいそと差し出した。
「ささやかですが、お祝いですのよ」
プレゼントを持って来られた以上、何も出さないで追い返すわけにもいかない。私は仕方なく、ローズを応接間に通すことにしたのだった。
思わず駆け寄ると、ローズは顔をしかめて後ずさった。
「嫌だわ、土まみれの姿で、近寄らないでくださる?」
「どうしていたのか、聞いているのよ」
「お義姉様に心配していただく必要は無いわよ」
ふてくされたように、ローズが答える。相変わらずだわ、と私は脱力した。
「お父様は? どこにいらっしゃるか知らない?」
「知るもんですか! あんな男」
ローズがわめく。自分を差し置いて、私をマルク殿下に嫁がせようとしたことを、まだ根に持っているのだろう。話にならないわ、と私はため息をついた。
「すみません、モニク様。迷ったのですが、モニク様の妹君ということで、お通ししたのです」
そこへ、慌てたように執事がやって来た。
「庭にいらっしゃる、とお伝えしたところ、あっという間に走って行かれて……」
「そりゃそうよ。私は、モニク・ド・サリアンの妹なのよ。第二王子殿下のお妃の、ね」
最後を強調しながら、ローズが胸を張る。そして、私をじろりと見た。
「で? いつまで妹を待たせるのかしら? お茶の一杯くらい、出していただけないの?」
「あのねえ、ローズ」
さすがにカチンときた私は、ローズをにらみつけた。
「バルバラ様がなさったことは、知っているわよね? それについて一言の謝罪も無いどころか、心配した私に向かって、お礼どころかまともな返事すら無い。あげく、お茶を飲ませろですって?」
「あれは、お母様が勝手になさったことで……」
ローズがうつむく。私は、さらに語気を強めた。
「王室入りしたとしても、このミレー家の方々は、私の家族よ。私が一言言えば、あなたはこの屋敷に永久出入り禁止。それどころか彼らは、あなたを社交界から追放する力だって持っているのよ?」
「……ごめんなさい」
さすがに怯えたのか、ローズがしゅんとする。だがそれは一瞬で、彼女はパッと顔を上げた。
「用件を、先に申し上げるべきでしたわね! 実は私、お義姉様とアルベール様のご婚約祝いに参ったのですわ。一言だけ、ご挨拶申し上げてもよろしいかしら?」
とってつけたような理由に、私は眉をひそめたが、ローズは小箱をいそいそと差し出した。
「ささやかですが、お祝いですのよ」
プレゼントを持って来られた以上、何も出さないで追い返すわけにもいかない。私は仕方なく、ローズを応接間に通すことにしたのだった。