人肉病
何体もの死体を見てきたけれど、慕っていた先生が死んでいるのはさすがにキツイ。


「非感染者に襲われたんだ」


白衣の下から覗いている手首には赤い斑点がある。
それを見つけて圭太が言った。


「先生も誰かを食べようとしたってこと?」

「たぶん、そうなんだろうな。それで、返り討ちにあったんだ」


強烈な食欲が先生をも狂わせてしまう。
私はスカートの上からポケットの中の肉片の感触を確かめた。
でも私は大丈夫。

まだこれが残っているから。
肉片のブニブニとした弾力を確認すると少しだけ安心できた。


「それは違うよ」


突然そんな声が聞こえてきたかと思うと、保健室の中からフラリと麻子が姿を表した。
その顔は真っ青だ。


「麻子!!」


思わず駆け寄り、その体を抱きしめる。


「どこにってたの? 心配したんだよ!?」

「私、朝から体調がよくなくて、それでずっと保健室にいたの」
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