人肉病
ウイルスに感染していても自我はしっかりと残っている。
そのため自分の生命維持が困難になるようなことは起きなかったんだろう。
冷蔵庫の中を確認してみると卵が3つとウインナーが一袋、それに缶詰が少しあるだけだった。
これだけの大きな家にしては食料が少ない。


「これじゃ圭太の食べるものがすぐなくなっちゃう」


心配する私に圭太が食器棚を確認しはじめた。
その中にも食べかけのオヤツや少量のお米が残っているのみだ。


「くそっ。これじゃここに長居はできないか……」


自分の食料を持ってこなかったことを悔いているようだ。


「それなら学校へ戻ろうよ。外にいても状況は同じみたいだし、学校には物資が届くよ」


私の提案に圭太が目を見開く。


「ここまで来て学校に戻るなんてありえないだろ」

「でも、外にいたら圭太の食べ物がないじゃない」


私には外に転がっている死体があるけれど、圭太はそれを食べるわけにはいかない。
学校にいても、外にいても、結局私達に降り掛かってくる問題は食物だった。


「少しくらいなら我慢できる。それに、スーパーやコンビニへ行けばいくらでも食べ物はあるはずだ」
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