人肉病
無事でいたことに驚き、またここにいることにも驚いて声がでなくなってしまう。


「自殺なんてやめたほうがいい」


冷静な直の言葉に、記憶が蘇る。
そうだ、私はこの家で自殺しようとしたんだ。
首が痛いのはロープが食い込んでいたせいだろう。


「どうして直がここに?」

「君たちが学校から逃げ出すのを窓から見てたんだ。それで後を追いかけてきた」

「それならすぐに声をかけてくれたらよかったのに」

「学校から外へ出たものの君たちがどこに行ったのか見失ったんだ。非感染者に襲われそうになりながら逃げ込んだこの家で、偶然君たちを見つけた」


その説明で直も感染していることがわかった。
さっきからいい匂いがしているけれど、テーブルの上に置かれていたのは人肉らしい。

直はそれを手を止めることなく食べている。
食欲はかなり強くなってきているんだろう。


私の喉も自然と鳴る。


「少し食べる?」
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