人肉病
直がフォークに突き刺した人肉を差し出してくる。
私はゴクリと唾を飲み込んでそっぽを向いた。
本当はとてもお腹が減っていたけれど、圭太の前では食べたくない。


「そういえば、圭太は?」


ふと気がつくとリビング内に圭太の姿がないようだった。


「圭太なら隣の部屋で寝てる」


顎で寝室をさして答える直。
眠っているのか。
それなら少しくらい食べても大丈夫かもしれない。
再び直へ視線を移動すると、直は人肉の乗った皿とフォークをこちらへ差し出していた。


私はそれを受け取り、口に運ぶ。


「どうして自殺なんてしようとしたんだよ?」

「それは、直だってわかるでしょう?」


同じ感染者なら、その苦しみが理解できるはずだ。
もちろん、非感染者の圭太だって同じくらいの苦しみを背負っている。


「人肉を食べ続けることに抵抗があったとか?」
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