人肉病
圭太が静止するのも聞かずに私は扉の隙間に指を差し込み、一人分の大きさに開いていた。
ガラガラと大きな音が体育館内に響き、彼らの視線が一斉に私へ向かう。
その視線に射すくめられそうになるけれど、必死に笑顔を浮かべた。


「なにしてるの?」


質問する間に10人ほどの生徒が私を取り囲んでいた。
その目は品定めするような目で、心臓がバクバクを高鳴り始める。
大丈夫。
まだ感染者が感染者を食べる自体にはなっていないはず。

だから私が食べられることはない。
自分自身にそう言い聞かせても背中にジワジワと冷や汗が滲んでいくる。
恐怖で膝が笑ってしまって、立っていることがやっとだ。

1人の女子生徒がマジマジと私のことを見つめ、そして「感染してる」と、他のメンバーに告げた。


「なんだ。あんたも感染者か」


途端に張り詰めていた空気が緩まり、彼らにも笑顔が浮かぶ。


「う。うん。感染してる。あなたたちも?」

「私達も全員感染しているよ。ここで食料が来るのを待ってるの」
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