人肉病
「なんだ。圭太か」


純一は含み笑いを浮かべて圭太を見つめる。


「一緒に食べるか?」


先生の死体を見下ろして誘う純一に圭太の目に涙が浮かんできた。


「何言ってんだよ! 食べるわけないだろ!」


圭太の叫びに純一の表情が変わる。


「もしかして、まだ感染してないのか?」


その質問に圭太は答えなかった。
純一が、自分の友だちが人を食べているのがショックで、なにも考えられなかった。


「どうしてお前は感染してないんだ?」

「知らねぇよそんなの!」


圭太は純一の体を突き放す。
純一は数歩後ずさりして踏みとどまった。
そして今度は視線が私へ向かう。

純一の視線が『薫は感染していないのか?』と聞いているのがわかった。
私は腕まくりしたままの腕を純一へ見せた。


「薫は感染してるのか」


その声色はどこかホッとしていて、まるで感染していない方が異常だといいたげだった。


「それなら、薫も食べるか?」
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