人肉病
質問されてゴクリと喉がなる。
本当はメマイがするほどの空腹を感じている。
もう、いくら水を飲んだって無意味だった。


「私は……大丈夫だから」


喉から手がでるほどに欲しい食事を断り、後退りをする。
これ以上ここにいれば我慢ができなくなる。
圭太の前で人肉を食べることになってしまう。


「そっか……。じゃあ、頑張れよ」


純一はそう言うと一歩前に出て私に手を差し出してきた。
差し出された手に一瞬躊躇した後、握りしめる。

友達とこうして握手したことなんてなかったから、なんだか妙な気持ちだ。
でも、これは純一なりの気持ちなんだろう。


「あ……りがとう」


私は震える声でそう伝えて、純一から手を離したのだった。
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