S系外科医の愛に堕とされる激甘契約婚【財閥御曹司シリーズ円城寺家編】
和葉と再会した見合いの日から半月後。柾樹はもう一度、芙蓉を訪ねた。和葉に忘れられないうちに会っておきたかったからだ。それに――。
「申し訳ありませんでした。当日にいきなり予約を取らせてもらって」
柾樹は夜の営業が始まるより少し早い時間に顔を出し、育郎にあいさつをした。電話の時点で円城寺の名は告げてあったので、彼は穏やかな笑みで迎えてくれた。
「いや、娘と孫が世話になった円城寺家のお坊ちゃんだ。今夜は精いっぱいのもてなしをさせてもらうよ」
その言葉に柾樹は安堵した。十数年前のこととはいえ、彼と円城寺家の間で交わした『和葉には会いに来ない』という約束を破った形になってしまったからだ。
「言い訳がましいようですが、先日の見合いがこの店だったのは本当に偶然です」
「そんなことを責め立てる気はないさ。むしろ、あの約束のことは……こちらも当時はナーバスになっていて、今思えばひどく恩知らずな発言をしてしまった。このとおりだ」
育郎はスッと頭をさげた。
「いえ。俺も今は医師をしています。あのときのあなたの決断は正しかったと思います」
育郎は頭をあげ、柾樹を見て目を細めた。
「不思議だな。お坊ちゃん……」
自分をなんと呼べばいいのか、育郎は迷っているようだった。柾樹はふっと笑んで自己紹介をした。
「柾樹です」
「申し訳ありませんでした。当日にいきなり予約を取らせてもらって」
柾樹は夜の営業が始まるより少し早い時間に顔を出し、育郎にあいさつをした。電話の時点で円城寺の名は告げてあったので、彼は穏やかな笑みで迎えてくれた。
「いや、娘と孫が世話になった円城寺家のお坊ちゃんだ。今夜は精いっぱいのもてなしをさせてもらうよ」
その言葉に柾樹は安堵した。十数年前のこととはいえ、彼と円城寺家の間で交わした『和葉には会いに来ない』という約束を破った形になってしまったからだ。
「言い訳がましいようですが、先日の見合いがこの店だったのは本当に偶然です」
「そんなことを責め立てる気はないさ。むしろ、あの約束のことは……こちらも当時はナーバスになっていて、今思えばひどく恩知らずな発言をしてしまった。このとおりだ」
育郎はスッと頭をさげた。
「いえ。俺も今は医師をしています。あのときのあなたの決断は正しかったと思います」
育郎は頭をあげ、柾樹を見て目を細めた。
「不思議だな。お坊ちゃん……」
自分をなんと呼べばいいのか、育郎は迷っているようだった。柾樹はふっと笑んで自己紹介をした。
「柾樹です」